人間が生命活動を維持する上で重要な役割を果たすのが睡眠です
健康であるためにはしっかりと質の高い睡眠を実現することが大切です
しかし、私たちの多くは十分な睡眠をとれていない状況が日々続いているのが現状です
睡眠不足が重なると、心身のセルフメンテナンスが不十分になり様々な不調が現れます
・ ホルモンバランスや自律神経が乱れる
・ 血圧、血糖値、コレステロール値の上昇する
・ 生活習慣病を引き起こす恐れがある
・ 集中力やパフォーマンスが低下する
仕事だけではなく、私生活にも悪影響を及ぼしてしまうのが睡眠不足です
この記事では良い睡眠のメリットについて紹介し、睡眠の質を向上させる方法を解説します
本記事の内容
睡眠の重要性
健康であるために欠かせないのが成長ホルモンです
成長ホルモンには疲れをとったり、傷を修復する機能がありますが、多く分泌されるのは睡眠中です
睡眠には浅い眠りであるレム睡眠と深い眠りであるノンレム睡眠があり、ノンレム睡眠の間に成長ホルモンが分泌される仕組みになっています
つまり、深い眠りであるノンレム睡眠をしっかりと確保することが質の高い睡眠をする上で必要不可欠と言えます
深い睡眠と浅い睡眠は交互に現れ、一回あたりの深い睡眠時間はおよそ90分と言われています
また、一晩で何度も深い睡眠が起こる方が良いため6〜8時間程度の睡眠は必要不可欠です
しかし、睡眠時間には個人差があり、一概に睡眠時間が長ければ良いという訳ではありません
睡眠の時間は大切ですが、最も重要なのが睡眠の質です
質の高い睡眠のメリット
傷ついた全身の細胞を修復し疲労が回復する
そもそも疲れの原因というのは活性酸素がほとんどです
少し医学的な話をしますが、私たちの細胞には血液によって栄養と酸素が運ばれます
その栄養を酸素で燃やすことでエネルギーをつくっています
酸素が燃えることで活性酸素が生じ、通常であれば身体に備わっている抗酸化力が働いて過剰な活性酸素を除去してくれます
しかし、活動量が増えたり、ストレスを感じると細胞は多くの酸素を使用しエネルギーを大量につくり出します
このような状態が続くと活性酸素は細胞を傷つけ、結果的に細胞の中で栄養がスムーズに燃えず機能低下を起こします
これらが疲れの原因です
質の良い睡眠は損傷した細胞を修復する効果があります
眠っている間は様々な緊張感から解放されるため、自律神経機能が活発になることはありません
・ いびきをかいてしまう
・ 歯ぎしりがひどい
・ 何度も起きて寝付けない
このように睡眠がうまくとれていない人は疲労の回復があまりできていません
寝具や照明などにこだわり、睡眠環境作りも大切です
脳の老廃物を取り除くことができる
深い眠りであるノンレム睡眠中に脳内の有害物質が洗い流されます
私たちの脳は頭蓋骨に収まっている訳ではなく脳脊髄液に浸かっており、転んで頭を打ったとしても脳が傷つかずにすむのはこの保護液のおかげです
脳脊髄液はおよそ1500ccで1日4回600ccほど入れ替わっています
新しい脳脊髄液が出て、古いものが排出されるときに脳の老廃物も一緒に除去されます
睡眠中は日中に比べ、老廃物を排出する機能であるグリア細胞が収縮し細胞の間隔が60%拡大することでより活発に老廃物を除去しています
老廃物がたまりすぎると、アルツハイマー病やパーキンソン病など老化に伴う神経変性疾患を推進させる機能が高まる為、睡眠をきちんととることで認知症などの予防にもつながります
身体を健全な状態にすることができる
睡眠中に分泌される成長ホルモンはタンパク質合成を促進し、身体の成長や修復、疲労回復に重要な役割を果たしています
成長ホルモンは起きている間でも1日の中で1〜3時間ごとに分泌されますが、睡眠中の寝始めの90分に分泌量が最大となります
子供は睡眠中に一生懸命脳を創って育てており、成人の場合は成長ホルモンにより筋肉や骨が強くなり、代謝が正常化されます
また、免疫はホルモンと連動しています
質の良い睡眠をとっていないとホルモンバランスが崩れ、免疫の動きもおかしくなってしまいます
免疫の働きが低下することで風邪やインフルエンザ、ガンなどの免疫に関係する病きになる可能性が高くなります
「風邪は寝たら治る」という言葉をよく耳にしたことがあると思いますが、免疫力向上と休息の面で理にかなっている訳です
さらに、睡眠によって食欲ホルモンを調節し、健常な状態にします
睡眠を制限することで脂肪細胞から分泌される食欲を抑制するレプチンというホルモンが減少し、胃から分泌される食欲を促進させるグレリンが増大します
食べ物を食べて栄養を摂取することで人は成長し、疲労回復もする為、食べ過ぎでもいけませんし、食べなさすぎてもいけません
睡眠はこのような食欲に関するホルモンバランスも調整しています
脳を活性化させパフォーマンスが向上する
多くのトップアスリートたちが口を揃えて明かしているのは「素晴らしいパフォーマンスの秘訣は睡眠にある」ということです
彼らはより良いパフォーマンスを発揮するために生活を見直し、他者の助けを得て睡眠を優先するように心掛けています
では、なぜ睡眠でパフォーマンスが向上するのでしょうか?
筋トレや勉強などで得たものは睡眠中に習得されます
トレーニング中に分解された筋肉は休息中に繊維が自己回復されて強度が増加し、勉強や読書で学んだ知識やスキルは睡眠中に脳に定着すると様々な研究によって証明されています
睡眠が失われると、刺激を他の細胞に伝達する神経細胞であるニューロンの発火が遅くなり効率が低下する傾向にあります
その結果として、反応速度や集中力の低下を引き起こしてしまいます
長い目で見ても睡眠不足は肥満や心臓病、脳卒中などの健康被害を増やすことに繋がっています
いかに睡眠が大切か理解できたと思います
睡眠の質を高める方法
就寝前はスマホやTVを観ない
就寝前にスマホやTVが睡眠に良くない理由としてブルーライトが多く浴びてしまい脳内で分泌されるメラトニンが減少するからです
メラトニンは眠りを促す物質であり、寝る前にスマホを使う人と使わない人とでは睡眠の質、疲れの取れ方、目覚めのすっきり感に大きな差があると研究によって明らかになっています
TVよりも至近距離で使用するのがスマホですので、ブルーライトの量を多く浴びてしまい目の疲労にも繋がります
ブルーライトは強いエネルギーのため、人間の目への刺激がとても強く目を酷使してしまいます
さらに、体内のリズムを乱すこともあり夜間なのにも関わらず脳が昼間と勘違いしてしまいます
なので、特にスマホは寝る前には観ないように心掛けましょう
・ スマホを枕元で充電しない
・ 画面を覆って光が漏れないように工夫する
・ ブルーライトカットのメガネをかける
寝る前には物理的にスマホをいじれないような工夫が重要です
温かい飲み物を飲む
寝る前に飲んで即効でぐっすり寝れるという飲み物はありませんが、一般的に「トリプトファン」を含む飲み物を飲むと良いとされています
トリプトファンとは睡眠を促すホルモンであるメラトニンの材料となるものであり、3食の食事で習慣的に摂取しておくと睡眠の質を高めることができます
・ 牛乳
・ 豆乳
・ ケール
・ バナナジュース
・ 味噌汁
・ かつおダシ
上記以外で寝る前にオススメなのが「ハーブティー」と「温かい飲み物」です
ハーブティーには鎮静と癒し作用があるので就寝前に飲むことでぐっすり寝ることができます
また、「冷えは安眠の大敵」と言われることから身体を温めることで睡眠の質は向上します
温かい飲み物として生姜湯、白湯、葛湯、ホットミルクがあり、小腹が空いて寝れない時はコンソメスープや梅昆布茶などがオススメです
逆に寝る前に絶対に飲んではいけない飲み物としてカフェインを含む飲み物です
カフェインには覚醒作用があり、就寝前はコーヒー、紅茶、栄養ドリンクなどは避けましょう
就寝前の3時間は食事を控える
お腹がいっぱいになると眠くなることはありますが、寝る前に食事を摂ると睡眠の質を極端に落としてしまいます
というのも、満腹状態になると満腹ホルモンと呼ばれる「レプチン」が分泌されます
レプチンには催眠効果があり、お腹がいっぱいになると眠くなるのはこのためであり、食べた物を消化するために胃腸を忙しく働かせることが主な役割になります
食事を摂ってから胃腸の働きがひと段落するまで約3時間はかかります
なので、就寝前に食事を摂ると脳や身体は十分に休むことができず質の高い睡眠はできなくなります
脂肪分の多い食事は消化に時間がかかってしまうため肉類や揚げ物はなるべく避けて遅くても就寝3時間前には済ませておくことをオススメします
どうしても残業などで夜が遅くなってしまった場合には間食として夜はスープなど消化の良い食事をしましょう
お風呂に浸かる
就寝90分前に42度前後のお風呂に15分程度浸かると質の高い睡眠をとることができます
夏や忙しいときなど簡単にシャワーで済ませてしまう人も多いと思いますが、ぐっすり眠るためとしては逆効果になってしまいます
シャワーだけでは深部体温を下げてしまいます
人間の睡眠には深部体温が大きく影響しており、夜は休息のため日中に比べ深部体温が下がります
身体は深部体温を下げるため手足の皮膚温度を上げて汗を掻くことで体内の熱を効率よく放出して眠りに入るための準備をします
なので、お風呂に浸かり意図的に深部体温を1〜2℃ほど上昇させることで湯上り時に体温低下の速度が上がり、結果として寝つきが良くなり深く質の良い睡眠をとることができます
また、お風呂に浸かることで全身の血行が良くなり温熱作用で疲れが取れてリラックス効果があり、冷え性改善にも効果的です
しかし、どうしてもお風呂に疲れない時は足湯でもOKです
お風呂に浸かるほど体温変化はありませんが、深部体温を下げるのには効果的です
ストレッチをする
睡眠の質を高めるためには体温を上げる必要があり、ヨガやストレッチといった軽い運動をすることで体温を上昇させリラックスすることができます
寝る前に軽いストレッチをすると副交換神経を優位に導く成分であるカルノミンが分泌されます
これによりリラックス効果が得られるため快眠が期待できます
まずは実際に体験した方が良いと思うので下記動画にて参考にしてみて下さい
一回行うだけでも効果が期待できますが、1〜2週間ほど続け脳に「ストレッチをすると眠る準備に入る」と覚えさせることができ、さらに睡眠の質が向上します
まとめ
この記事では私たち人間にとって睡眠とはいかに重要であり、質の高い睡眠のメリットについて解説しました
現代人のほとんどが睡眠の質が悪く、それに気付いていない人もほとんどです
睡眠の質を向上させる方法を今夜から実践してしき日々の疲れを回復していきましょう
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