人とのコミュニケーションにおいて最も多い悩みとして「上手に断ることができない」ということが挙げられます
これは日本人に多く、相手の気持ちを尊重したり、相手の気持ちを大切にするという日本特有の美徳によるものです
断ることは悪いという認識を捨てないと、いつまでたっても相手から都合の良い人であり、自分の人生を有意義に過ごすことができません
この記事では断るために重要なポイントを解説し、上手な断り方を紹介します
断り方のポイントを押さえて相手を不快にさせず上手に断ることができれば、その後の関係も良好に保つことができます
本記事の内容
自分の人生の中で優先順位をはっきりさせておく
上手に断るためには自分の人生の中での優先順位をはっきりさせておくことが重要です
例えば、家族が大切と思う人は「土日は家族と過ごす時間にする」というルールを決めることで、急な仕事が休日に入った場合すぐに断ることができると思います
また、無駄な出費を抑えてお金は自己投資に使いたいと思う人は「乗り気でない飲み会や誘いは避ける」というルールを決めることで会社の飲み会や乗り気ではない誘いをきっぱり断ることができるでしょう
自分の人生軸にあったルールを設け、そのルールにそぐわない仕事や飲み会の誘いは迷うことなく断るだけです
断る判断は優先順位に照らし合わせて常に同じ基準で断ること
ケースバイケースで判断するのはやめましょう。仮にそのように判断してしまうと同じ基準で公平に断っていないため人間関係でトラブルの原因になります
良い人でいるのは相手から都合がいいだけ
どうしても断ることができない人は「断ろう」と決心しても、いざ断るときに「良い人でいたい」という願望が出てきてしまいます
・ 良い人で居続ければ人生は好転するに違いない
・ 良い人でいれば必ず自分のことを守ってくれるはずだ
・ 上司の言うことを我慢して聞いていれば安泰だ
断ることができない人は上記のように思っているのではないでしょうか?
このような考え方は危険です。断るべきときに断れないでいると相手に舐められてしまい言葉や態度によって行われる精神的な暴力を受けてしまうことがあります
いわゆるモラルハラスメントです。上司に大声で怒鳴られたり、人間性を否定されたり、理不尽なことを言われたりします
断ることができずイエスマンになるとこのような不当な行動に対して受け入れてしまう自分が形成されます
そして、最終的に自分を失い、メンタルが崩れていきます
断ることは自分を守るためでも大切であり、断ることで得られるメリットも様々です
https://unpsymind.com/life-improvement/decline-merit/
断る習慣が身につくと、何に対して「イエス」と言うべきかはっきりしてきます
さらにこれまで断れなかった様々な物事が視界からなくなるので自分らしく人生を生きられるでしょう
断れないと失ってしまうもの
全ての頼みごとや誘いに応じてしまうと自由に使える時間が無駄になるのはもちろんのこと、ウィルパワーと呼ばれる思考や感情をコントロールする力が失われます
コミュニケーションの研究家であり、早稲田大学オープンカレッジの講師も務める藤田尚弓氏によると、断れない人は時間と自己制御の為のエネルギーを無駄にしていると指摘しています
人は物事を判断したり意思決定したりするたびにウィルパワーを消費します
ウィルパワーは前頭葉でしか分泌されず、総量も決まっているため他人からの頼みごとや誘いにウィルパワーを使いすぎることで自分のために使えるウィルパワーが少なくなってしまいます
本来、優先したいものに集中できなくなるのはあなたが他人のためにウィルパワーを使いすぎている可能性が挙げられます
頼みごとや誘いを全て断るのは良くないかもしれませんが、優先したいことがあるときはきっぱり断ることが大切です
上手な断り方のポイント
余計な言い訳をせず迷わず断る
困った表情を浮かべたり、曖昧な返事や断るために言い訳をするのはかえって相手を不快にさせます
また、迷っているのを相手に見せるのは「断る明確な理由がない」ということを相手に伝えているのと同じであり、相手に付け入られる隙を与えてしまいます
余計な言い訳で相手に不快感を与えず、迷わずにすぐ断ることで自分の意思の固さやポリシーが相手に伝わります
断りだけを伝えることに何となく気がひける場合は、断った後に謝罪の一言を入れるのが良いでしょう
断り方の公式を使う
断りの公式を使うことで変に揉めたり、面倒になったりするのが減ります
謝罪(感謝)+ 理由 + 断り + 代替案
まずは謝罪や感謝のクッション言葉をはさみ、理由を先に述べましょう。その後に断ることで誠意のある断り方ができます
しかし、相手からの頼みごとや誘いを断ってばかりでは自分の居場所がなくなる可能性があります
そこでポイントとなるのが代替案を用意することです
断る時の最大の問題として相手の期待を裏切ってしまうことです。代替案を用意することで裏切られた相手の期待をフォローすることができます
断った後に悪い印象を抱かれる可能性を低くし、相手との関係性も維持できると思います
自分が言われて嫌な断り方はしない
頼みごとや誘いを断ろうとした時に気をつけなければいけないこととして自分が言われて嫌な断り方をしないことです
相手のプライドを傷つけるような話し方は避けましょう
・ 無理です
・ 厳しいです
・ なんで自分なんですか?
上記のような自分本位な感情的な言葉を使ってしまうと、相手の機嫌を損ねてしまう可能性があります
断る時だからこそ誠意をもって相手に対応しましょう
感謝の気持ち、もしくは申し訳ない気持ちを伝える
頼みごとや誘う側の立場を考えると断られることでどうしても拒絶されたような気持ちがしてしまうものです
どんな頼みごとや誘いに対して、断る時には「自分に声をかけてくれてありがとう」という感謝の気持ちを持って断りましょう
または、申し訳ないという気持ちを伝えてなるべく否定的な言葉を使わないことを心掛けましょう
相手の気持ちを逆なでしないことが重要です。相手の人間性を否定するような言葉や態度は取らず相手を尊重して対応していくことが大切です
まとめ
断れない人はストレスや不満が溜まりデメリットしかありません
相手を傷つけずに上手に断ることができる人は人間関係が良好で日常の様々な場面での選択肢を広げることができ、人生を豊かにすることができます
上手に断ることで自己主張し、ストレスフリーな毎日を過ごしていきましょう